裁判員制度|裁判員の仕事内容

裁判員となった者は、以下のような仕事をします。

【公判への立ち合い】
裁判員は、裁判官と共に公判(刑事事件について裁判を行うこと)に立ち会います。公判では、裁判員は被害者や被告人、証人に対し質問をすることができます。

【評議・評決を行う】
裁判員は、裁判官と一緒に事実の認定、被告人の有罪・無罪、有罪ならどのような刑にすべきかを評議します。ただし、評議をしても全員の意見が一致しない時は、多数決による評決で決められます。

裁判員制度|裁判員の選定方法

裁判員が選ばれるまでの流れを以下に説明します。

【1】裁判員候補者予定者名簿の作成
前年9月、地方裁判所が市町村の選挙管理委員会あてに、翌年に必要な裁判員候補者の数を通知。それをもとに選挙管理委員会は”くじ”で予定者を決め「裁判員候補者予定者名簿」を作成します。

【2】裁判員候補者名簿の作成
地方裁判所は、選挙管理委員会から提出された「裁判員候補者予定者名簿」をもとに「裁判員候補者名簿」を作成します。

【3】候補者への通知
候補者へ、裁判員候補者に選ばれたことを通知します。この時、調査票を送付し、これを受け取った候補者は裁判員になることができるかなどの質問に回答、返送します。

【4】事件ごとに候補者を選ぶ
地方裁判所は、「裁判員候補者名簿」の中から事件に呼び出す候補者を”くじ”で選びます。

【5】呼出状と質問票の送付
選ばれた候補者に「呼出状」と「質問票」を送付します。質問票では、辞退事由の有無などいくつかの質問があり、辞退を希望することが可能です。

【6】選任手続きの実施
辞退が認められなかった候補者(辞退を希望しなかった候補者も含む)は、選任手続期日に裁判所で必要な手続きを行います。ここでは主に、辞退を希望するかどうか、不公平な裁判をするおそれがあるかどうかなどの判断がなされます。この手続きは非公開です。

【7】裁判員の選任
最終的に、不選任となった候補者以外の中から必要な人数の裁判員を”くじ”等で決定します。

裁判員制度とは

裁判員制度とは、私たち国民が裁判員となり、裁判官と一緒に被告人の有罪無罪、有罪の場合はどのような刑にするかを決定する制度です。

この制度はアメリカやイギリス、フランスなどでも採用されていますが、日本では2009年5月21日から開始しました。

私たち国民が裁判員として裁判に参加することにより、司法に対する信頼の向上、裁判が身近なものとなる、といった効果が期待されているようです。

また、扱う事件は、主に重大な刑事事件
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の第2条1項1号では、以下のように書かれています。
”死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件”

具体的には、例えば以下のような事件が対象となります。
・身代金を目的とした誘拐事件
・飲酒運転により人を死亡させてしまった
・殺人
・強盗により人にけがをさせたり死亡させてしまった
・通貨偽造 など。

裁判所の種類

裁判所にはいくつかの種類があります。誰もがご存じの最高裁判所をはじめ、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の全部で4つです。それぞれの特徴は以下のとおり。

【最高裁判所】
最高裁判所は、東京に1つだけしかない最上位の裁判所機関です。例えば、地方裁判所の判決に不服がある場合は高等裁判所に控訴し、高等裁判所の判決に不服がある場合は最高裁判所に上告する、という流れになっており、最高裁判所は最終的な判決を下す権限があります。

構成は、最高裁長官1名と判事14名の合計15名からなります。

審理(事実を詳しく調べ明らかにすること)には大法廷と小法廷の2種類があります。
・大法廷=15名全員で行われる。
・小法廷=5名で行われる。

また、以下の場合は大法廷によって行われることが定められています。
・法律や命令、規則などが憲法に合っているかを判断する時
・法律や命令、規則などが憲法に違反している時
・過去に下した最高裁の判例に反している時

【高等裁判所】
下級裁判所(最高裁を除く裁判所)の中で最上位に位置する裁判所で、全国に8カ所設置されています。主に地方裁判所の判決に不服がある場合に、高等裁判所にて控訴審を担当します。

また、原則として裁判官3名からなる合議体によって審理されます。
(合議体=事件について評決を行う裁判員および裁判官から構成される組織体)

【地方裁判所】
地方裁判所は、原則として第一審の審理を行う裁判所です。ただし、家庭裁判所を第一審とする場合は第二審を担当します。全国に50カ所設置されおり、1名の裁判官もしくは3名の裁判官からなる合議体によって審理されます。

【家庭裁判所】
家庭裁判所は、全国に50の本庁と、多くの支部や出張所が設置されています。主に扱う事件として、家庭に関する事件の審判および調停、少年の保護事件の審判などがあります。

また、平成16年4月から、離婚訴訟などの人事訴訟に関する事件も管轄しています。(地方裁判所から移された)

原則として1名の裁判官が担当し、例外的に3名の合議体によって審理されます。

【簡易裁判所】
簡易裁判所は全国に438カ所設置されており、日常における身近な紛争を取り扱う裁判所として、比較的軽微な事件を扱っています。例えば、以下のようなもの。

・訴額が140万円以下の民事事件。
・60万円以下の金銭支払い請求(少額訴訟)
・罰金以下に該当する罪(刑事事件)

また、裁判は裁判官1名で担当します。

裁判によらない紛争解決

私たちの身近に起こることのある紛争。できれば当事者間の話し合いで解決させたいけれど、それがなかなか難しい場合も時としてありますよね。かといって裁判はちょっと避けたい…そんなときに利用できるものとして以下の手段があります。

【1】あっせん
→当事者の間にあっせん人という人が入り、紛争の解決を目指すもの。ただし、その解決方法はあくまでも当事者同士が決定します。

【2】調停
→当事者の間に調停人という人が入り、それぞれの言い分を聞いた上で解決策を提案してくれるもの。

【3】仲裁
→前もって仲裁人の判断に従うことが前提でされる解決方法です。上記2つと異なり、仲裁人が下した判断は拒否することができません。一番強制力の高い手段です。