最高法規

【(97条)】
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

【(98条)】
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

2項 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

【(99条)】
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

→97条では、憲法が保障する基本的人権というのは、最高法規であり侵すことのできない永久の権利として規定しています。

また、憲法を尊重し擁護する義務は、一般の国民には課せられていません(99条)。これは、そもそも憲法というのは国民の幸せを実現することを目的とし、強大な権力を持つ国家が国民に対し権利の濫用を防ぐために制定されたものだからです。

憲法の改正

【(96条)】
この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2項 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

→最高法規である憲法も、厳格な条件をもって改正することができます。96条では、各議院の総議員3分の2以上の賛成と、国民の過半数の賛成がその条件として規定されていますが、通常の法律と異なりより厳格になっていることを「硬性憲法」と言います。

そして、最終的に公布するのは、天皇です。天皇は、国民の名で直ちに公布することになります。

団体自治と住民自治

【(93条)】
地方公共団体には、法律の定めることろにより、その議事機関として議会を設置する。

2項 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

【(94条)】
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する機能を有し、法律の範囲内で条令を制定することができる。

【(95条)】
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

→93条から95条では、団体自治と住民自治について定められている規定です。地方自治においては直接民主制が採用されていますが、これは住民自治のあらわれでもあります。

また、94条は、地方公共団体に対し「法律の範囲内で条令を制定することができる」、という条令制定権を与えています。これにより、その地域独自の特性に沿った自治を行うことができることになります。

95条では、特定の地方公共団体に対して特別法を適用する場合は、必ず住民の同意を得なければならないとしています。

地方自治の基本原則

【(92条)】
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

→地方自治というのは、国の中で分けられているいくつもの地域の中で、それぞれ独自のルールを定め運営を行っています。日本国憲法では、この地方自治について「法律でこれを定める」、と明記しています。

また、「地方自治の本旨に基いて」とありますが、これは地方自治の趣旨として「団体自治」と「住民自治」という2つの要素を意味しています。この2つに基づいたものでなければ92条に違反することになります。

※団体自治…その地域の地方公共団体が、団体として独立して自らの責任のもと運営などを行うこと。

※住民自治…地方自治は、その地域の住民の意思によって行うこと。

決算

【(90条)】
国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

2項 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

【(91条)】
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年1回、国の財政状況について報告しなければならない。

→会計検査院は、さまざまな会計に関する検査を行う独立した機関で、一会計年度ごとに国の収入支出を検査し報告します。その報告を受けた内閣は、これを国会に提出します。また、内閣には、国の財政状況について国会や国民に対し報告することが義務づけられています。