国会の権能と議院の権能

国会は衆議院と参議院で構成されていますが、この「国会」と「各議院」とが有している権能はそれぞれ異なります。

【国会の権能】
1.皇室財産授受の議決権(8条)
2.法律案の議決権(59条)
3.予算の議決権(60条)
4.弾劾裁判所の設置権(64条)
5.内閣総理大臣の指名権(67条)
6.憲法改正の発議権(96条)
7.条約承認権(61条、73条3号)


【議院の権能】
1.会期前に逮捕された議員に対する釈放要求権(50条)
2.議員逮捕承諾権(50条)
3.議員の資格争訟の裁判権(55条)
4.議長等役員選任権(58条1項)
5.議院規則制定権(58条2項)
6.議員懲罰権(58条2項)
7.国政調査権(62条)

※1~6までを「自律権」といいます。
※自律権とは、他の国家機関から干渉されることなく決めることができる権利です。例えば、自分たちの議長などは自分たちで決定し、仲間である議員の処分についても自分たちで決める、といったようなものです。

衆議院の解散

【衆議院の解散(54条)】
衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。

2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

→衆議院の解散は、主に「国民の信を問う」ために行われます。この解散制度があるのは衆議院のみで、改めて国民の意見を聞くことになります。

衆議院が解散されたら・・・
1.解散から40日以内に衆議院議員の総選挙を行う。
2.総選挙から30日以内に国会を召集する。
という手順で進められます。

内閣総理大臣の指名

 

【内閣総理大臣の指名(67条)】
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

2項 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

→67条は、内閣総理大臣の指名について規定されている条文です。内閣総理大臣は国会議員の中から選ばなくてはならず、どんな案件よりも最優先で行われます。また、本条文も衆議院の優越が採用されています。

条約の国会承認

【条約の国会承認(61条)】
条約の締結に必要な国会の承認については、前条第2項の規定を準用する。

→条約の締結については、予算案と同様の手順で進められます。ですが、60条1項については準用されていないので、衆議院に先に提出しなくても良いことになります。

—–参考—–
【予算案(60条)】
予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

2項 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

予算案

【予算案(60条)】
予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

2項 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

→まず、予算案は内閣で作成され、そのあとに先に衆議院に提出されます。また、衆議院と参議院とで議決が異なった場合は、衆議院の優越が採用されますが、必ず両議院の協議会を開き意見を調整しなければなりません。