裁判所の権能

【規則制定権(77条)】
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

2項 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。

3項 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

→憲法77条では、最高裁判所が裁判所の内部規定を制定する権限について認めています。国会が国の唯一の立法機関ではありますが、裁判所にこの規則制定権を与えている理由には、専門機関のルールは裁判所自身で決めたほうがよいということ、また、司法権の独立性を尊重しているということがあげられます。

【違憲審査権(81条)】
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

→違憲審査権というのは、法律等が憲法に反するかどうかを審査し国民の人権を保障しようとするものです。これは、とても重要な裁判所の権能になります。

裁判所の構成

【(79条)】
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

【(80条)】
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

→裁判所は、大きく「最高裁判所」と「下級裁判所」に分かれています。最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は内閣が任命し、下級裁判所の裁判官は最高裁判所が指名した者の中から内閣が任命します。

ちなみに、最高裁判所の長たる裁判官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命します(憲法6条2項)。

裁判所について

【(76条)】
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

2項 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

3項 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

→”司法権”というのは、簡単にいうと当事者間の争い事に対して法律を使って解決していこうというものです。この司法権は、最高裁判所と下級裁判所に与えられています。

また、裁判所には、最高裁判所を頂点としてその下に地方裁判所などの下級裁判所を置く「通常裁判所」と、それとは別に独立した形で「特別裁判所」というものがあります。この特別裁判所は、2項で設置の禁止が規定されています。

行政機関には司法権はありませんが、前審のみであれば裁判を行うことが許されています。

そして3項には、裁判官の権利の独立について規定されており、裁判官は憲法と法律以外には影響されません。これは、裁判が内閣や国会に影響されることなく、公平に行われるために保障されている制度です。