質権

【民法第342条】
質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

<質権とは>

質権とは、いわゆる質屋さんをイメージすると分かりやすいです。
例えば、AさんがBさんからお金を借りる際、Aさんのバッグを担保としてBさんに預けるというもの。もしAさんが期限までにお金を返さない場合、Bさんは預かったバッグを売って、その代金を弁済にあてることができます。

地上権

【民法第265条】
地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。

<地上権とは>
物権のひとつである地上権は、地主との間で地上権設定契約を結ぶことにより取得する権利です。また、他人からの譲渡や相続によっても取得することができます。

地上権の地代については、民法上支払いを必須とする条文はありません。なので、契約で支払いの取り決めをした場合に限り、有償となります。

永小作権

【民法第270条】
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。

<永小作権とは>
永小作権とは、民法第270条にあるとおり、小作料(使用料)を支払うことによって他人の土地で耕作や牧畜をすることができる権利をいいます。現在では、戦後の農地改革による買い取りの対象となったため、ほとんど利用されていないようです。

ちなみに、地上権の場合は、永小作権と異なり地代は発生しません。

入会権

【民法第294条】
共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。

<入会権とは>
入会権とは、一定の地域に住む住民が、集団で山林原野や漁場などを共同で利用できる慣習的な権利のことをいいます。例えば、山にあるキノコを採取したり伐木したりする場合などが該当します。これは、「総有的に支配する権利」なので、所有者1人1人には持ち分がありません。

地役権

【民法第280条】
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

<地役権とは>
 
地役権というのは、自己の所有する土地の便宜のために他人の土地を使うことができる権利をいいます。

例えば、通行地役権。自分の土地が他人の土地に囲まれていて公道に出ることができない場合、通行地役権を設定することによって他人の土地を利用し通ることができるようになります。

ちなみに、この場合でいう自分の土地を要役地(ようえきち)、他人の土地を承役地(しょうえきち)と呼びます。


【民法第283条】
地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

<地役権の時効取得>
地役権には上記民法の条文にあるとおり、時効取得があります。

また、要役地を共有利用していた場合、そのうちの1人が時効取得したのであれば、他の共有者もその承役地の通行地役権を時効取得することになります(民法284条1項)。

ですが、この時効取得を中断させるためには、承役地の所有者は、要役地の共有者1人1人に対して時効を中断する必要があります(民法284条2項)。

このように、民法では地役権についてなるべく時効が完成しやすいような仕組みを取っています。